ダイショー

対処すべき課題

Issues to be Addressed

経営方針、経営環境及び対処すべき課題等

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

1経営方針

当社は「おいしさで・しあわせをつくる」を企業理念として豊かな食文化の創造を目指し、安心・安全を第一義に、品質の高い調合調味料類を中心とした製品を付加価値の高い提案により、食場面におけるおいしさ、たのしさを創造する企業活動に取り組みます。また、「社是・社訓」、具体的行動を定めた「行動規範」を認識し、自らの責任と役割を果たすことで、仕事を通して社会と関わり合いながら、活力のある魅力的で社会貢献することを追求する企業として成長するとともに、ダイショーらしいユニークな製品やサービスを提供し続けることで、企業価値を高めてまいります。

2経営環境及び中期経営戦略

国内外を席巻したコロナ禍という特殊環境下における「新しいライフスタイル」の定着により、「内食」へのシフトやネット販売市場のさらなる拡大などを含む食品市場の変化が加速していくものと予想されます。加えて、お客様の生活防衛意識や節約志向、食の安全への要求の高まり、食品ロスなどの環境・社会問題、さらには原油や原材料価格の上昇など、数多くの環境への対応を求められています。このような状況のなか、当社は以下の点を重要課題として捉え、継続的成長の実現と企業価値の向上を図ってまいります。
小売用調味料市場に対しては、焼肉のたれや鍋スープなどの主力製品の売上拡大を一層推進するべく、経営資源の集中を図るとともに、即食製品など、消費者の多様なニーズを捉えた価値ある製品の開発と、機動的で魅力ある販促企画、キャンペーン、広告活動などの後方支援の充実化を推進してまいります。また、暖冬の頻度が高まっている現状に鑑み、鍋スープの通年製品化にも引き続き取り組んでまいります。
さらに、成長軌道にある惣菜向け調味料など、業務用調味料市場の開拓にも引き続き注力し、流通チャネルごとにメニュー開発・提案を加速させ、積極的な拡販に努めてまいります。また、世界的な食糧需要の増大やアジア・新興国の経済成長、日本食の広まりといったトレンドを捉え、海外市場の開拓に向け販売体制を強化し、一層の売上拡大を図ります。
その他、消費者の食の安心や健康に対する意識の高まりに対応するため、更なる安心・安全を確保した品質保証体制のもとでの製造に努め、「糖質オフ」や「機能性表示食品」など、健康をキーワードとした新製品の開発・投入を行い、価値ある製品の充実を図ってまいります。
これらの具体的取り組みを加速させることで売上の拡大と利益率の改善を目指すとともに、選択と集中を意識した組織マネジメント、及び次世代人材育成への投資を積極化すること、さらには、企業の社会的責任に対する要請が一層高まっていることを踏まえ、SDGsを見据えた持続可能な社会と事業成長の両立の実現に向け、様々な取り組みを実行してまいります。

[中期経営計画の概要]
中期計画テーマ <「ダイショーらしさ」を追求し、企業価値の向上へ>

① 方針
コーポレートマークに込められた思いを体現することで次世代を切り開く 「企業ブランド=ダイショーらしさ」 を確立 【創造】 “強み”に磨きをかけ、市場・顧客を開拓する 【躍進】 強い体力づくりへの投資で飛躍の基礎を固める 【信頼】 社会・社員から信頼される企業体制を構築する
② 戦略
まず、「“強み”に磨きをかけ、市場・顧客を開拓する」では、高付加価値の製品開発による売上拡大でコストの増加を吸収するとともに、既存ラインアップの収益力を見極める選択と集中により、適正な利益を確保してまいります。
次に、「強い体力づくりへの投資で飛躍の基礎を固める」では、商流・物流の分離などのプロセス改革による業務効率化を進めつつ、ITの活用による業務デジタル化も推進してまいります。
さらに、「社会・社員から信頼される企業体制を構築する」につきましては、「会社の成長の基盤は人である」という当社の信条を念頭に、制度面、環境面から多様な人材が活躍できる仕組みを創出します。

③数値目標
2024年3月期に目指す主要な業績指標は以下のとおりです。
単位:百万円
2023年3月期(実績) 2024年3月期(計画) 2023年3月期比(%)
売上高 23,374 24,300 103.9
経常利益 497 740 148.8
当期純利益 310 460 148.3

3優先的に対処すべき事業場及び財務上の課題

(1)及び(2)に記載の、経営方針及び中期経営計画を実行していく上で、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。

①売上の継続的成長
販売体制を再構築し、企画提案力の向上に取り組み、成長分野である業務用製品、 即食向け製品の販売展開に注力してまいります。 市場の変化を先取りし、付加価値と魅力ある製品開発に取り組み、販売力とコスト競争力の強化を図ってまいります。
② 食の安心・安全
FSSC22000等の食品安全規格に則った生産を行うとともに、さらなる製品品質・衛生管理レベルの向上に取り組んでまいります。
③ 事業基盤の強化
原材料調達、在庫管理、人員配置、生産計画、物流体制、販売・広告活動等、あらゆるコストについて生産性向上に取り組み、経営の効率化を進めてまいります。 教育・人事諸制度の充実、職場環境の改善により、個々の社員の能力を発揮できる環境を整備し、将来にわたる成長力、収益力のある企業体質を目指してまいります。 SDGsを見据えた持続可能な社会と事業成長の両立の実現に向け、様々な取り組みを実行し、企業としての社会的責任に対する要請に応えてまいります。