To Investors
代表取締役会長
松本 洋助
代表取締役社長
松本 俊一
当期の製品群別概況では、液体調味料群の小売用製品において、本格的なお店のメニューを簡単に再現できる有名中華
シェフとのコラボ製品や新製品が堅調に推移しました。
なかでも、当社一番人気の焼肉のたれ『秘伝 焼肉のたれ』に、粒感豊かなにんにくを配合し“にんにく感”を強化した『秘伝 焼肉のたれ にんにく5倍』が売上を大きく牽引しました。鍋スープ類では、平均気温の高い状況が続くなか、「名店監修」シリーズとして新たに投入した『名店監修鍋スープ らぁ麺飯田商店鶏だし
醤油味』や、人気ドラマ「孤独のグルメ」の劇場版とのコラボ製品が好調に推移しました。
業務用製品では、手軽に炭火焼の風味を再現でき彩りよいねぎを加えた『炭火焼風 ねぎ塩ソース』を中心に、多様なフレーバーのオイルソース類や惣菜向けのソースの売上が増加しました。
粉体調味料群では、小売用製品の『味・塩こしょう』シリーズが、業務用製品では、惣菜向けのスパイス類が好調に推移しました。
その他調味料群においては、小売用製品では定番製品の「スープはるさめ」が売上を伸ばし、業務用製品も好調に推移しました。
当社が保有する4つの工場のうち、茨城県の関東工場は、オイル製品と「スープはるさめ」を除くほぼすべてのアイテムを生産しており、東日本エリアの供給を一手に担う重要拠点です。2024年5月より同工場の4号棟増設工事に着手し、2025年8月より稼働を予定しています。
近年、供給がひっ迫していた鍋スープ等をはじめとする液体調味料の製造能力を拡大し、販売の持続的な成長へとつなげてまいります。
現在の日本社会はコストプッシュ型のインフレ経済に突入し、依然として厳しい状況が続いています。賃金が上がっても
物価高に追いつかず、実質賃金は減少傾向にあります。これらを背景に消費者の節約志向は一段と高まり、購買意欲の低下が顕著になっています。加えて、気候変動の深刻化や地政学的リスクの高まりにより、食糧供給の安定性も揺らいでいます。
不確実な状況が続く限り、生活者による企業選択はますます厳しくなり、世界的な資源獲得競争も一層激しさを増していくと考えられます。
このような環境の下、前期は「今よりもファン(FAN・FUN)を大切にする会社」を目指し、新体制のもと❶「ビジョン追求」❷「ベースアップ」❸「体制変更」❹「予算達成」の4項目を重点課題とし、当社固有の存在価値を磨き上げ、さらなる飛躍を目指してまいりました。
❶「ビジョン追求」においては、2つのプロジェクトを推進し、 メンバーが「“楽しい味”で 世界にプラスを。」を自らの使命として捉えるようになったと実感しています。
❸「体制変更」においては、まず役員間の連携を強化しました。今後はさらに視野を広げ、部門の垣根を越えたコミュニケーションの活性化を図ってまいります。
❹「予算達成」においては、各部署・各人が持てる力を最大限に発揮した結果、売上は過去最高の成果を収めています。
そして今期、第60期という節目にあたり、当社が変化と多様 性の時代において選ばれ続ける企業であるためには、シェア拡大を目指す「競争」と、新たなモノ・コトを生み出す「共創」の両輪を回し続け、企業価値をさらに高めていく必要があります。
その実現に向け、今期は❶「ビジョン追求」❷「適正利益の確保」
❸「組織づくり」の3つをテーマに掲げ、企業価値のさらなる向上を目指す一年としてまいります。
❶「ビジョン追求」においては、ブランディング活動を継続し、共感の輪を広げる「インナー」と既存ファンのロイヤリティ向上と新規ファン獲得を図る「アウター」の両面から施策を推進していきます。
❷「適正利益の確保」においては、当社の強みを探究し、新たな価値を創出することで、将来の利益獲得につなげます。
❸「組織づくり」においては、「ひとりひとりの⾃⼰実現」が「ファンを⼤切にする会社」へと結びつくような組織の構築を進めてまいります。
以上の施策を通じて、第60期通期の業績見通しにつきましては、売上高275億円、営業利益6億円、経常利益6億円、当期純利益4億20百万円と予想しております。
今後もダイショーの経営理念である「おいしさで・しあわせをつくる」を価値創造の基本としつつ、当社の強みである開発力と提案力をブラッシュアップし、お客様・お取引先各位との信頼関係を宝としながら全社一丸となり、事業のさらなる成長と業務の一層の効率化に努めてまいります。
