ダイショー

投資家の皆様へ

To Investors

ごあいさつ

株主の皆様には格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
ここに、当社第59期(2024年4月1日~2025年3月31日)の事業概況のご報告とご挨拶を申し上げます。
食品業界におきましては、原材料費・人件費・物流コストの上昇が企業収益を圧迫するなか、節約志向や共働き世代のニーズに応えるかたちで、調理スタイルの多様化に対応した製品や高付加価値商品の開発が進みました。
こうした状況のもと、当社では2025年3月期を最終年度とする中期経営計画の「“強み”に磨きをかけ、市場・顧客を開拓する」「強い体力づくりへの投資で飛躍の基礎を固める」「社会・ 社員から信頼される企業体制を構築する」という3つの基本戦略を着実に遂行しつつ、収益構造の改革と持続的成長の実現を進めてきました。
2024年4月の新体制発足を見据えて、20代~40代を中心とした部門横断型のブランディングプロジェクトを編成し、そこで生まれたビジョン「“楽しい味”で 世界にプラスを。」を軸に、「今よりもファン(FAN・FUN)を大切にする会社」を目指すという活動指針を掲げました。この活動を通じてメンバーが指針に 向き合う機会を創出できたことは、社内連携の強化に大きく寄与したと考えております。
以上の取り組みの結果、当事業年度における売上高は、262億41百万円(前期比103.5%)となりました。利益につきましては、増収を達成したものの、原材料価格や労務費等の製造コストの上昇の影響は大きく、営業利益は6億56百万円(前期比 73.7%)、経常利益は6億73百万円(前期比74.8%)、当期純利益は4億58百万円(前期比76.5%)となりました。
なお、当期の配当につきましては、同期と同額の1株当たり18円とさせていただきました。
株主の皆様におかれましては、何卒一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
  • 代表取締役会長
    松本 洋助

  • 代表取締役社長
    松本 俊一

トップインタビュー

第59期の業績および期中の取り組みへの評価をお聞かせください。

当期の製品群別概況では、液体調味料群の小売用製品において、本格的なお店のメニューを簡単に再現できる有名中華 シェフとのコラボ製品や新製品が堅調に推移しました。
なかでも、当社一番人気の焼肉のたれ『秘伝 焼肉のたれ』に、粒感豊かなにんにくを配合し“にんにく感”を強化した『秘伝 焼肉のたれ にんにく5倍』が売上を大きく牽引しました。鍋スープ類では、平均気温の高い状況が続くなか、「名店監修」シリーズとして新たに投入した『名店監修鍋スープ らぁ麺飯田商店鶏だし 醤油味』や、人気ドラマ「孤独のグルメ」の劇場版とのコラボ製品が好調に推移しました。
業務用製品では、手軽に炭火焼の風味を再現でき彩りよいねぎを加えた『炭火焼風 ねぎ塩ソース』を中心に、多様なフレーバーのオイルソース類や惣菜向けのソースの売上が増加しました。
粉体調味料群では、小売用製品の『味・塩こしょう』シリーズが、業務用製品では、惣菜向けのスパイス類が好調に推移しました。
その他調味料群においては、小売用製品では定番製品の「スープはるさめ」が売上を伸ばし、業務用製品も好調に推移しました。
当社が保有する4つの工場のうち、茨城県の関東工場は、オイル製品と「スープはるさめ」を除くほぼすべてのアイテムを生産しており、東日本エリアの供給を一手に担う重要拠点です。2024年5月より同工場の4号棟増設工事に着手し、2025年8月より稼働を予定しています。
近年、供給がひっ迫していた鍋スープ等をはじめとする液体調味料の製造能力を拡大し、販売の持続的な成長へとつなげてまいります。

第60期(来期)の見通しについてお聞かせください。

現在の日本社会はコストプッシュ型のインフレ経済に突入し、依然として厳しい状況が続いています。賃金が上がっても 物価高に追いつかず、実質賃金は減少傾向にあります。これらを背景に消費者の節約志向は一段と高まり、購買意欲の低下が顕著になっています。加えて、気候変動の深刻化や地政学的リスクの高まりにより、食糧供給の安定性も揺らいでいます。
不確実な状況が続く限り、生活者による企業選択はますます厳しくなり、世界的な資源獲得競争も一層激しさを増していくと考えられます。
このような環境の下、前期は「今よりもファン(FAN・FUN)を大切にする会社」を目指し、新体制のもと❶「ビジョン追求」❷「ベースアップ」❸「体制変更」❹「予算達成」の4項目を重点課題とし、当社固有の存在価値を磨き上げ、さらなる飛躍を目指してまいりました。
❶「ビジョン追求」においては、2つのプロジェクトを推進し、 メンバーが「“楽しい味”で 世界にプラスを。」を自らの使命として捉えるようになったと実感しています。
❸「体制変更」においては、まず役員間の連携を強化しました。今後はさらに視野を広げ、部門の垣根を越えたコミュニケーションの活性化を図ってまいります。
❹「予算達成」においては、各部署・各人が持てる力を最大限に発揮した結果、売上は過去最高の成果を収めています。
そして今期、第60期という節目にあたり、当社が変化と多様 性の時代において選ばれ続ける企業であるためには、シェア拡大を目指す「競争」と、新たなモノ・コトを生み出す「共創」の両輪を回し続け、企業価値をさらに高めていく必要があります。
その実現に向け、今期は❶「ビジョン追求」❷「適正利益の確保」
❸「組織づくり」の3つをテーマに掲げ、企業価値のさらなる向上を目指す一年としてまいります。
❶「ビジョン追求」においては、ブランディング活動を継続し、共感の輪を広げる「インナー」と既存ファンのロイヤリティ向上と新規ファン獲得を図る「アウター」の両面から施策を推進していきます。
❷「適正利益の確保」においては、当社の強みを探究し、新たな価値を創出することで、将来の利益獲得につなげます。
❸「組織づくり」においては、「ひとりひとりの⾃⼰実現」が「ファンを⼤切にする会社」へと結びつくような組織の構築を進めてまいります。
以上の施策を通じて、第60期通期の業績見通しにつきましては、売上高275億円、営業利益6億円、経常利益6億円、当期純利益4億20百万円と予想しております。
今後もダイショーの経営理念である「おいしさで・しあわせをつくる」を価値創造の基本としつつ、当社の強みである開発力と提案力をブラッシュアップし、お客様・お取引先各位との信頼関係を宝としながら全社一丸となり、事業のさらなる成長と業務の一層の効率化に努めてまいります。